脳の癖を取り除くのに、自分にどのような癖があるのか、というのはやっぱり小さいころの育った環境、その環境の中で自分が感じてきたことがものすごく影響している。
ものすごく厳しい家で、対面を気にして父親が母親の至らなさにいつも怒っていた。
そういう話をしながら、それが自分の思考の傾向になっていると、話を聞いているとその人の今の思考と照らし合わせて、それだよね、とわかるのに、本人はまったく気づかない。
それぐらい自分ではわかっているつもりのことはごく一部のこと。
自分のことは自分が一番わかっているように思えるけれど、人を通してしかわからないこともある。
暗闇の中にいれば何かわからないものでも、触れて、カンと音が鳴れば、それは金属だろうとわかる。
自分というものが、その物体との接点を持つことで、それが何か、が理解できる。
物体に限らず人も同じ。
人と接するから、自分って意外と短気だったことに気付けたり、嫌な一面があることにも気付かせてもらえる。
山にこもって一人で修行もすごいことなのだろうけれど、何も過酷な自然環境を相手にしなくても、人という常に自分の思うように動かないものを相手に試行錯誤することは十分に心の鍛錬をさせてもらえると思う。