つけあがる

子育てでも、ご主人に対してでも、仕事の仲間でも、そんなにしてあげたら人はつけあがるとか、何でもやってあげたらありがたみがわからないとか、そういうことを思ってしまうこともある。

でも易では『養いは厚きに過ぎてもよい』ということを言われる。

手厚く与えれば、何事も動きだすのが自然の原理なのだと。

気学でも、二黒の大地は、どんなに踏まれて感謝もされなくても、種を植えれば種に栄養を与え、実りをもたらせる無償の愛がある。

相手がどんな感情を抱いていようと、欲しいと言われれば与える、ただそれだけ。

それでも枯れたものが腐敗し土に還り、また栄養となって戻ってくる。

天から雨という水も降って与えてももらえる。

二黒は母。

母親ということも、仕事で人を育てることも同じ。

子供がどんなになっても、本当にダメなところ以外は何でも受け止めるつもりで惜しみなく与える。

そうすれば子供も基盤力がつく。

そうすれば親が思う以上の成長を見せてくれる。

常に自分が大地の存在であることを意識すれば、簡単に揺れ動かれたら困るだろうし、雨水は受け入れたくありません!とはねつければ水たまりになって人は歩きにくくなってしまうことがわかる。

黙って水でも何でも大地に吸い込み、黙って自分が消化する。

そのことで自分の上に住むみんなが幸せに生活が出来る。

そしてそれは決して自分の一方通行の奉仕なのではなく、大地だって生物からたくさんのものを与えてもらっている。

循環の一部。

だから誰が損とか、与えたら損とか、与え過ぎはよくないとか、そんなことは考えなくていい。

たくさん与えれば、どこかからたくさん自分のところへ戻ってくる。

そうして小さな循環ではなく大きな循環にしていけば、みんなもたくさん幸せになり、自分自身の大きな幸せにもつながっていく。